大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和43(あ)1940 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人坂本泰良、同鈴木紀男、同山本博の上告趣意は憲法二一条違反をいうが、

公職選挙法一三八条一項は、選挙運動としての戸別訪問には、種々の弊害を伴い選

挙の公正を害するおそれがあるため、選挙に関し同条所定の目的をもつて戸別訪問

することを全面的に禁止しているのであつて、戸別訪問のうち、選挙人に対する買

収、威迫、利益誘導等選挙の公正を害する実質的違反行為を伴い、またはこのよう

な害悪の生ずる明白かつ現在の危険があると認められるもののみを禁止しているの

ではないと解すべきところ、選挙の公正を期するため戸別訪問を禁止した結果、言

論の自由にある程度の制限をもたらすことがあつても、右禁止が憲法二一条に違反

しないことは、当裁判所大法廷の判例(昭和二四年(れ)第二五九一号、同二五年

九月二七日判決、刑集四巻九号一七九九頁)の趣旨に徴して明らかであり、今右判

例の変更の要を見ない。従つて、所論は理由がない。

よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す

る。

昭和四四年二月六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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